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2008年4月13日 (日)

やさぐれ勝の恋 十六

      十六

「俺が組継がしてもらいます」
 今岡隆二は藤本巌の屋敷を訪れていた。
 関東一円はおろか全国に縄張りを持つ組の組長宅である。今岡は射殺された西岡組長から盃は貰っていた。藤本と西岡は兄弟盃を交わしている。つまり、隆二から藤本は親の兄弟であるから『おじ貴《おじき》』に当たる。
「俺が仇取ります」
 藤本は笑いが込み上げたが、ぐっと呑み込みこう話した。
「隆二、話はもう付いた」
「話が付いた」
「お前がわざわざ出向くまでも無い」
 一瞬藤本は范享の陰鬱な表情が頭を過《よ》ぎった。関西を〆る組へ電報を送ったばかりだ。
『事の始末、つけさせていただきました。
 昭和○△年十一月  吉日
 安川組組長代行 藤本 巌』
 藤本はつまらないと思った。
 象牙細工で龍をあしらったダンヒルの特注ライターを手の中で弄《もてあそ》んでいた。
 縄張りを治める者が遣られたら、代わりを立てなければならない、この世界の掟だ。
 早朝から現れた隆二を哀れにも思えた。
「西岡の跡継ぎは俺一人では決められない」
 と藤本は言ったが、ゴリ押しすればそれもできない訳ではない。この組内ですら一本ではない。藤本の親藩組長は少ない、大阪を含む西日本一帯は依然盃事だけの舎弟組長ばかりだ。五分の組長すらいる。いつ寝返ってもおかしくない。武闘派の組長は姿を消し、金融屋、不動産屋ばかりだ。つまり極道で看板を挙げる者はいない。闇の世界の者が表の家業をメインにするようになって久しい。
 だが・・人間の欲望がある限り、俺たちの世界は安泰だ。酒、女・・性風俗、人間の心が求めている。歓楽街は人間の心の隙間を埋める。この世界でしか生きられない男や女がいる。彼らの生きる糧を得る唯一の場所なのだ。当然トラブルが起きる。いざこざは警察には通報されない。闇の世界に仲裁を求める。
 こっそりと始末されどこか人里離れた冷たい地面の下に埋められる。やさぐればかりだ。一人、二人突然居なくなっても誰も不審には思われない。
 藤本も何人かそういう行方不明者を知っている。
  藤本はふと隆二の顔を眺めていて思い出した事があった。
「お前の兄貴分に勝という奴がいたと思うが」
 と藤本は言った。
 隆二は不思議な顔で下を向いていた顔を上げた。
「ああ、俺の兄貴だ」
「そうか」
 藤本は川崎を隆二に任せようと急に思い返した。将来あの勝はきっと台頭するだろう、藤本は予感めいたものを感じた。その時この男は利用できる。ただの直感でしかない。白いダブルのスーツを着たヤクザ、隆二の恰好にロートルな過去の遺物を眺めるようにじっと藤本は隆二を眺めていた。
「緊急で会を持つ、お前は西岡を一つに纒《まとめ》、代行として出席する。話《なし》を俺が付けよう」
 隆二は急に藤本の態度が軟化した事に不審に思ったが、それ以上の詮索《せんさく》は止《や》めた。どうせ何か腹に一物があるぐらいは分った。隆二は小学校しかでていない、中学校で中退した。学業などこれっぽちもないが社会でいやになるほど揉まれた。人間の感情の機微を捉える事は誰よりも長《た》けている。
「お願いしやす」
 滅多に頭を下げた事のない隆二が額を応接テーブルに着くまで下げた。
「その前にお前と盃を交わす必要がありそうだ」と藤本は目の前にいる隆二と勝を重ね合わせていた。

 橋本純《はしもとじゅん》は防衛庁書記官をしていた。まだ三十を少し出た青年である。
 仕事の内容は名ばかりで実際は陸で政府要人と防衛庁幹部連中の調整を行う仕事がメインであった。防衛庁と政府機関の打ち合わせは全て書記官を通して行われる。当然、政府要人と民間企業のトップが集う密会にも同席する。聞きたくもない話を聞かなければならない。国家予算の数パーセントを消費する軍事費の決済の全てを知る立場にもある。だから二十四時間いつでも、どこからでも庁に駆けつけられるように四谷近くの官舎を住まいと定めていた。
 真夜中、1DKの部屋にようやく戻ってシャワーを浴びていた。けたたましく電話の呼び鈴が鳴った。来年度の予算編成が固まりつつあった。次期防衛構想に国民が与り知らぬ『イージス艦』の調達へ向けた予算が計上されようとしていた。すでに米国の太平洋に配備されているイージスシステムという途轍もなく電子制御化された軍事の近未来を予想させる艦船・・複数の敵機を同時に遊撃できるその能力は半径五百キロメートルを優に超える。
「A号が発令された」
 A号召集の事である。これ以上の召集命令はない。理由の遺憾に関わらずシビリアンコントロールでは武官は文民の配下にあり指示に従う。身体に熱いシャワーの熱の余韻に浸る時間はない。大学の同級生、蓬祐子《よもぎゆうこ》に連絡を入れるべきか躊躇《ちゅうちょ》した。彼女は卒業後、民間企業に就職した。それ以来会う事は無かった。最近偶然電車で再会した。再び会う約束して別れた。その後何度か食事を共にした。明日から二人で二泊三日で信州へ温泉旅行へ行く予定だった。
 前もって話をしていた。緊急事態の場合、連絡を入れられない場合もあると・・
 橋本は防衛大学を卒業してこの世界に入った。女子の少ない職場である。結婚相手に事欠く、若い者は誰もが配属先で夜の世界に入り浸り、女子を物色する。橋本は興味が無かった。幾つか上司から縁談を勧《すす》められた。いずれも断ってきた。川崎にいる兄が嫁を貰うまで自分は貰わないと決めていた。
 しかしいつしか適齢を迎えつつあった、一人で生きるのにも限界はある。
 橋本純の兄は銀蔵一家、合力四人衆、人呼んで『やさぐれ勝』であった。中学に入学する時、橋本家の養子として迎い入れられた。
 都内で個人経営の内科医院を経営する夫婦であった。既に還暦を迎える二人に子供は授からなかった。義父は川崎の銀蔵の賭場に出入りしていた。そこで純を知った。勝の実弟と知りますます養子として欲しいと懇願したと聞く、儀母の芳江《よしえ》が義父と勝に会いに来た。後になって芳江は一目見て我息子と思ったと言う。
『純、こちらがお前の新しい、おとうさんとおかあさんだ』と勝が紹介した。
 夏の日差しが部屋をこれでもかというように眩しく輝かせていた。
 純は勝の八人兄弟の下から二番である。勝とは歳が十五も離れている。実の父母の顔は記憶が無い。川崎の銀蔵の家に遣ってきた時まだ二歳に満たなかった。銀蔵とその子が両親のようなものだ。
 幼い時から純は身体がひ弱だった。勝のような頑丈な身体に産まれ付かなかったらしい。苗字の『はが』のがの濁点を『は』に移動すれば、『ばか』だとよくからかわれた。その度に年上の者でも向っていった。だが、喧嘩は辛喫しだめであった。いつも青タンをどこかに作っていた。俺は喧嘩ではだめだ、勉強で人の上に立ってやると子供心にも思う事があったが、銀蔵の子分の隆二に付きまとい、『俺は兄のような合力になる』と嘯《うそぶ》いてきた。
 何だ簡単なものだと純は思った。いままでもいつも一緒に暮らすのが当たり前だと思ってきた。犬や猫の子を遣るのとは違う。血を分けた弟を他家に出すのだとその時は思った。まだ世の中の事など一切分らなかった。
 義父母は大学はどこでもいいと言った。
『お前の好きなようにするがいい』と言った。
 本心は医院を継ぐ為に医科大学へ行って欲しいと思っていると純は思った。
 それに答えるために勉強第一で学生時代を過ごした。
 私立の有名医科大学を受験した。
 一次試験はトップで合格した。
 面接があった。
『貴方は兄弟がいますか』と試験官に問われた。
『はい、上に兄が四人と姉が二人、下に弟が一人おります』と答えた。
『お兄さんが・・』と試験官は純の身上書に改めて視線を落とした。
『養子として橋本の家に入りました』とさらに純は付け加えた。
『なるほど、兄上はやはり医師ですか』身上書には両親とも医師と記入されている。
 だからそう思ったのだろう。
 純は悪びれるつもりは無かった。
『極道です』と何も隠す事はないと思ったからそう言った。
『極道・・』数人いた試験官達の顔が強張ったのを純は見逃さなかった。
 その後は当たり障りない質問があったが、明らかに緊張した声が続いた。
 結果など聞くつもりは無かった。
 数日して勝から電報があり、中にお前の事を根堀葉堀聞いていった者がある。何か厄介ごとあれば兄を頼れ・・うんぬんと打電されていた。
 面接を受け大学が純の身上調査に探偵を雇ったらしいとだけ分った。
 涙を止められなかった。
『極道』は犯罪者ですか?
兄弟に『極道』がいれば私も罪人《つみびと》ですか?
『どうしたの純』部屋の入口に義母の芳江が佇んでいた。正直に先日の面接の顛末を語った。
 夕餉の時に義父が義母から聞いたのだろう、
『お前と俺は勿論《もちろん》血は繋がっていない、お前の兄が極道かどうかといことは一切関係無いと思う、だが世間というものはそういう目では見てはくれない』義母がそっと涙を拭《ぬぐ》う仕草をした。
『お前を我息子に迎えた時から、そいう目で見る者がいるかもしれないと思った事がある。だが、それは俺自身が間違っていた、お前は躊躇無く、試験官の前で兄が極道であると語ったと芳江から聞いた、その時初めて分った事があった。お前の兄弟誰一人、勝さんを人に隠さず、それこそ正々堂々と話す。それはその人が何であるかということが問題ではなく、何を遣ってきたか、たったその一点こそが地位や名誉よりも大切と思い知らされた』
 夕餉は静かに芳江の心が篭った料理で進んだ。
『これからどうする』と義父は尋ねた。
 その顔は純に喜びと勇気を与える愛情そのもので溢れていた。
『俺等二人などどうにでもなる。たいした財産はないが、お前の好きに使うがよい』
『たった一つだけ、芳江の願いだけ叶えたい』
 純には分っていた。義母はこの手で孫を取り上げたいのだ。
 受験雑誌に掲載されていた防衛大学へ願書を提出した。
 面接でやはり兄弟の質問がされた。
 同じように答えた。
 髭を蓄えた老年の試験官だった。
『ほう任侠道の兄を持つと』
 不思議と試験に合格した。
 後にあの試験官が経済学担当の教官であること事を知った。学生街の居酒屋で席を同じにした。あの面接の事を尋ねた。
『国を守る者になるかもしれない人間を選ぶのであって、その人の姻戚に何か支障があろうかなかろうが問わないのが筋で、私は君を選んだつもりだが』と答えてくれた。
『君は言わなくてもよい事を正直に答えてくれた。国を守るものが嘘吐《うそつ》きであって欲しくない』
 色んな思いがあった。
 官給のコートを羽織《まとい》、まだ秋の冷たい雨がひたひたとする夜へ歩み出た。
 純はまだ勝が日本海でシージャックされたフェリーに乗船していることを知る由もなかった。

 青き海原を朝陽が真っ赤に染め上げていた。ゆっくりと波頭を立てレインボーまりもは北へ向かう進路を西へ変えようとしていた。
 爆音を立てた一機のヘリコプターがレインボーまりもの船尾に近づきつつあった。
 日本電源開発の五十嵐光男、本村警部補、そして銀蔵が後部貨物室の壁にシートベルトで結わえられるような恰好で座っていた。
「じいちゃん、あれだ」隣に同じように壁に背をしっかりと押さえつけられた五十嵐がどなった。
「ああ、あれか」
 眼下に鮮やかな白亜の巨船があった。
 マクドネル・ダグラス社製のAH-64が日本で正式に採用されるのは平成になってからだ。銀蔵一行は武装解除されたアッパチと呼ばれる人類が作り出した最高の戦闘ヘリコプターの中にあった。時速300キロメートルで6時間も飛び続ける事ができる。まさにモンスター級のヘリコプターは新幹線より速く飛び続ける事が可能だ。もし、完全武装した状態であれば、30mmバルカン砲から無限に機銃掃射がおこなわれ、ウイングの牽下パイロンに釣られたハイドラロケット弾、またヘルファイア空対地ミサイル、スタブウイング両端の空対空用ロケットランチャーが用意されている。空飛ぶ戦車と呼ばれることもある。なぜ電源開発にそのようなヘリコプターがあるのか、その答えは非常事態に備えて密かに購入準備された一機だった。五十嵐は、この機の選定に当たって政治家が動いたと聞いた記憶があった。ライセンス生産を前提にテスト販売があった。一機50億で契約したと聞く。ずっと千葉外房の山奥深く格納庫で待機してきた。
 電話で五十嵐は二十四時間待機しているパイロット宿舎へ連絡を入れた。
『緊急発進準備せよ、Aの貨物を追跡する。警視庁のヘリポートまで・・我々と合流せよ』
  Aとは放射能物質を意味する。
 原子力発電は一歩間違いを起こせば周辺地域数十キロものすべての生物を死滅させる。緊急避難、あるいはそれに伴う緊急事態のシュミレーションから電源開発は自ら地上最強のヘリコプターを用意してきた。
 本村は不思議な物を見るようように銀蔵を眺めた。
「銀さんあんたは何者だ」とふと口から出た。
 それもそうだ。
 警視庁で打ち合わせを終えた本村に銀蔵はこう言った。
「警部補さん、足を見つけました。一緒に行きますか」
 本村は意味が分らなかった。
 五十嵐を先頭に本村、銀蔵が警視庁の屋上へリポートまで階段を駆け上がった。
 上がった途端に爆音と暴風がヘリポート上空を覆った。警視庁の持つ柔なヘリコプターではない、どうみても米国の戦闘機ヘリコプターが三人を拾い上げた。二時間ちょっとの飛行で迷走するフェリーに追いついた。驚くのも無理は無い。
 朝焼けの中に確かに白き波頭を立てる白亜の巨船に追いついた。
「俺たちは銀蔵一家よ」
 と銀蔵が逸《はや》る気持ちをぐっと呑み込んで言った。
 五十嵐も心の中でこう言った。
『銀蔵一家推参《ぎんぞういっかすいさん》』

 東京駅、朝靄《あさもや》の中、長野新幹線のホーム、ガラスで覆われた休憩所に蓬祐子《よもぎゆうこ》は座り込んでいた。橋本純はついに現れなかった。『緊急招集の場合、家族にすらその所在を教えられない・・』
 頭では理解していた。祐子は防衛大学で情報分析、いわゆるインテリジェンスを学んだ。あらゆる情報網から得られた情報を分析しそして戦略を立てる。
 恋愛について祐子は奥手だ。
 習性が男の仕草、態度を情報として認識して分析を立てる。つまり男の一挙手一投足をインテリジェンスしてしまう。これでは結婚などできるわけがない。
 民間の調査機関で流通業の商品情報分析システムに携わって八年の歳月が流れた。
 いいよる男はたくさんいた。
 容姿には少し自身がある。
 双子の姉が銀幕を飾る女優業をやるほどだ。
 祐子は髪を短髪に刈り上げ、度の入らぬセル眼鏡で容貌を隠してきた。化粧もせず通勤電車で揺られ通勤し続けてきた。それでも時時、『女優の○○○子さんですよね』と尋ねられる。その度にウンザリと怒り顔で睨み返してきた。

 その日の偶然さを彼女は一つも疑わなかった。
『祐子だよね』終電車の椅子に座り祐子は下を向いたままじっと何を考える訳でもなく、何かに少しいらいらしていた。
 吊革に『僕のうさぎちゃん』と学生時代、祐子を呼んだ橋本純が見下ろしていた。
 学生時代、同じサークルに所属していた。
 古いアイテムを探し求めて活動するサークルだった。色々な町を訪ね、その町にしかない珍しい物を探し、所有者からインタビューや写真を取り手作りの雑誌を出す。幾度とも無く取材旅行の旅の空の下に共にあった。
 不思議な親近感があった。
 親や姉とは違う。
『純ちゃん』と祐子はつい口を滑った。
『純ちゃんはないぜ』と白い歯を見せて橋本純は笑顔を見せた。
 誘われるまま電車を降り、居酒屋で学生時代の思い出話で盛り上がった。
 その後、流しのタクシーを拾い、モーテルの一室に二人は納まった。
『また会おう』と帰り際に橋本は電話番号が書かれたメモを渡してくれた。
 まるで夢のような一夜だった。
 男とこんな風に接する自分を分析できなかった。居酒屋まではまるで同じようなインテリジェンスをしていたような気がする。

 蓬祐子は橋本純が東京駅に来れない理由を求めた。
『非常事態・・』だが、日本がそのような状態になるはずがないという考えが支配的でそれ以上の答を見出せなかった。祐子に与えられた情報が少なすぎると思った。
 今日から三日間休みを取った。
 いまさら自宅に帰る気もない。両親宅に居候《いそうろう》する身としては、友人と信州へ旅行に行くと言って戻るほうがよっぽど気が重い。
『祐子さんはいつ嫁にいくのやら』と母が口から出る言葉をつい思い出した。
 なぜかその時、蓬祐子は防衛庁へ行こうと思った。それが後で大変重要な判断になるのだが・・

 橋本純は警視庁から派遣された担当の係官と面談して事の内容を知った。
 日本電源開発が北海道電力用に調達した原子燃料が北朝鮮のスパイと疑われる者の手に落ちた。それも日本海を航行するフェリーごと、すでに日本政府は米政府関係筋に応援要請を出した。政治家にとって、防衛庁など蚊帳の外らしい。
 防衛庁の地下深くに設置された情報戦略室に橋本純が到着してすぐに彼当てに内線電話が鳴った。
「橋本一佐、ゲートに親類の方が到着しております」
 橋本は誰だろうと思った。
 薄暗い戦略室の壁一面のモニターに日本全体がすっぽり納まる地図が映し出され、その周りを蜘蛛の子のように船舶が航行する様子がモニターされていた。
「橋本一佐、七のイージス艦が派遣された」
 戦略室の江戸大佐《えどたいさ》が叫んだ。
『どういう事だ』橋本は鼻の中がきゅーんときな臭いがした気がする。『七とは米海軍の第七艦隊・・』
「我々は最悪の事態を想定し戦略を立てる」
 江戸の怒鳴り声が戦略室を覆った。
 階段室を駆け上がり防衛庁の受付まで橋本は辿り着いた。
 応接室に橋本と同期の木村一佐と女性がテーブルを挟んで談笑していた。
「祐子」と橋本は叫んだ。
「お前たちいつから付き合っているんだ」
 と制服組の木村が笑い転げたが、橋本はとてもそんな気になる事は出来なかった。
『今、日本海に米国の戦艦がフェリーを奪還するために急行した。最悪、フェリーは海の藻屑になる。米国とはそういう国だ。自由を守るとは一切の権力と戦う・・日本人には分らない』
 蓬祐子がとても素敵な女性に見えた。
『彼女を守るために・・』
 橋本純はそう思った。
 庁内で働いた事のない祐子にとって制服姿の橋本は卒業式以来だった。
 応接室に差し込む強烈な朝陽の中でさらに凛々しさが増した純が立っていた。
『私の大切な人なのね』
 と祐子は思った。

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コメント

ヽ(´▽`)/ かちーしゃ様
私こそ拙い文章を読んで頂きありがとうございます。生きる勇気が出るような物語を書きたいと思っています。更新頻度が低いですが、すべての物語をいつかすべて完結させることを目標にしています。こりずに忌憚無きご意見をどうぞ( ^ω^)おっおっおっ

投稿: tととし | 2010年8月17日 (火) 17時16分

ありがとうございます。
これで明日からも頑張れそうです。
私に元気をくれてありがとうございます

投稿: かちーしゃ | 2010年8月17日 (火) 00時31分

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投稿: ジョブ板 | 2008年4月25日 (金) 17時29分

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奥歯は大きいので、直径5mm以上のできるだけ太いインプラント本体を選択したいものです。ところが骨の幅が狭くなっていることが多くあまり太いインプラントでは頬側の骨からはみ出してしまうことがあります。 これを回避する方法としては骨の幅・質と患者さんの考え方によって異なってきます。3つの方法とは1、GBRや骨移植を行ってから太めのインプラントを使う場合2、既存の骨の幅の範囲内で細めのインプラントを使う場合3、最も細いインプラントを2本使う�... [続きを読む]

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